おえかきミュージアムでは、スタッフが交代で「おえかき」をしてミュージアムをご案内しています。

今回紹介するのは空想機械学に展示している「国際宇宙ステーション」です。

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国際宇宙ステーション(International Space Station略してISS)は、地上から約400キロメートル上空の宇宙空間で建設された実在する巨大な有人実験施設です。
1998年11月、最初の組み立て部品を乗せて初フライトが行われ、2011年7月21日にスペースシャトルによる最後のフライトが終了し、完成しました。
1周約90分というスピードで地球の周りを回りながら、実験・研究、地球や天体の観測などを行っています。

展示しているのは空想アトリエ内「空想機械学/空想の宇宙を目指す」のコーナー。
ロケット技術の開発と特撮の時代をテーマに、特撮世界に登場する架空のロケットとの対比のため、現実世界で開発された実在のロケットや国際宇宙ステーションの模型を展示しています。

平安時代の日本にも「竹取物語」があるように、人類は昔から宇宙に夢を抱き、様々な空想を描いてきました。
宇宙を題材にした様々な空想小説が書かれる中、世界初の特撮SF映画は、弾丸ロケットが月を目指して飛ぶ1902年公開の『月世界旅行』でした。
以来、宇宙を目指すロケットは、特撮世界で現実を先取りして描かれるようになったのです。

一方で、英二監督が宇宙を題材にしたSF映画を制作していたのは、冷戦中のアメリカとソ連(当時)が宇宙開発を競い合っていた時代でした。
英二監督は、「空想映画だからといってウソの宇宙ステーション、ロケットをつくる訳にはいかない」と、当時の最先端の科学を調査し、現実感があるような作品になるよう工夫していました。1957年公開の『地球防衛軍』では、公開直前にソ連が世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げたと報じられ、映画に登場する人工衛星を再デザインしたという逸話が残っています。

国際宇宙ステーションと共に、H-ⅡBロケットの模型も展示しています。これは、国際宇宙ステーションで活躍する宇宙飛行士の生活に必要な物資や研究用資材を運ぶための宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)を打ち上げることを主な目的とするものです。英二監督が工夫を重ねてきた空想世界のロケットと対比してご覧ください。

同コーナーの書架には、宇宙開発に関する書籍や、ロケットの書籍を配しています。
宇宙そのものに興味がある方は、地球外生命体や天体についての書籍を配している空想アトリエの「特撮天文学」コーナーも併せてご覧いただくと、より一層楽しんでいただけると思います。是非、ご覧ください。

スタッフ佐藤がご案内しました。
次回をお楽しみに。