おえかきミュージアムでは、スタッフが交代で「おえかき」をしてミュージアムのご案内をしています。

今回紹介するのは特撮映像学・特撮世界と環境学に展示されている「ゴジラ」です。

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ゴジラ/シン・ゴジラ(2016)©TOHO CO.,LTD. 

今回は、2016年公開の映画『シン・ゴジラ』に登場する「ゴジラ」です。

『シン・ゴジラ』の「ゴジラ」は、日本で初めてゴジラの全てをコンピューター・グラフィック(CG)で描いた作品です。

「初代ゴジラ」へのリスペクトも含んだデザインをもとに、雛形造形をつくり細部を検討したうえでCGモデルを制作しています。

造形は、初代ゴジラの着ぐるみのゴワゴワした表皮のしわをあえて取り入れるなど、これまでのつくり方を受け継いでいる部分もあります。

円谷英二ミュージアムで展示しているのは、初代ゴジラの雛形を原型にしたものです。

初代『ゴジラ』がそれ以前のストップモーションから着ぐるみへ撮影方法を変えたように、『シン・ゴジラ』では、それまでのゴジラシリーズで用いた着ぐるみに代わって、モーションキャプチャーという方法で表現しています。

モーションキャプチャーは、マーカーのついた専用スーツを着て動くことにより、人の動きを記録しCGに反映させる技術です。『シン・ゴジラ』では、狂言師の野村萬斎氏が、ゴジラの面をつけてゴジラの動きを表現しています。

また、物語では、東日本大震災にともなう東京電力福島第一原子力発電所の事故と、その対応も参考にされています。

このように、『シン・ゴジラ』は初代『ゴジラ』からの影響を受けた部分とゴジラシリーズから大きく変わった部分の両方がある作品です。

『シン・ゴジラ』と初代『ゴジラ』を見比べてみてはいかがでしょうか。

展示されているのは、「特撮映像学初代『ゴジラ』(1954)と『シン・ゴジラ』をめぐって」のコーナーと「特撮世界と環境学『シン・ゴジラ』という虚構が鳴らす警鐘」のコーナーです。

「特撮映像学」のコーナーには、ゴジラに関する本・映画に関する本・ドローンやYou Tude、Go Proなど映像制作のヒントになる本や展示があります。また「特撮世界と環境学」には、模型やグラフィックも展示しています。ゴジラから切り離せない、放射能という問題から環境問題にも着目して、原子力や核に関する本もご覧ください。

スタッフの小林がご案内しました。

次回をお楽しみに。