2021.01.07
おえかきミュージアムその24「バラン」
おえかきミュージアムでは、スタッフが交代で「おえかき」をしてミュージアムのご案内をしています。
今回紹介するのは空想生物学に展示されている「バラン」です。
バラン/大怪獣バラン(1958) ©TOHO CO.,LTD.
「バラン」は、1958年公開の映画『大怪獣バラン』に登場する怪獣です。
映画の中では
劇中では、中生代に生息したバラノポーダという架空の生き物で、山奥の湖に潜むように住んでおり、その土地では山の神、婆羅陀魏山神(ばらだぎさんじん)として祀られていました。
デザインとしては、頭頂部から尾の先まで縦一列に並ぶとげが印象的な怪獣です。
普段は四足歩行ですが、後ろ足二本で立ち上がることもあります。泳ぎも得意で水中を潜行します。
さらに、腕と足の間にある皮膜を広げムササビのように空を滑空することもできます。
皮膚は強さと柔軟性を持ち、どんな銃火器の攻撃にも耐えられます。
光るものを飲み込む習性から、照明弾を付けた特殊火薬を飲み込み、体内で爆発を起こし人間に敗北してしまいます。
着ぐるみの造型
バランの造型の中でも特徴的なのはでこぼこした皮膚と背中のとげです。
この皮膚のでこぼこした様子は、ピーナッツの殻がヒントになったそうです。
とげは、生物の一部として表現するのに大変苦労したそうで、水撒きホースを見て、透明のビニールホースでつくることを思いついた村瀬継蔵氏は英二監督にその出来栄えを誉められたそうです。
ミュージアムでは
展示されているのは、空想アトリエ中央の「空想生物学/怪獣を生み出す発想はどこから?」のコーナーです。
このバランという怪獣は、恐竜の化石の研究といった古代の生物への科学的知見と、各地に残る神話や伝説から創造されています。
同コーナーでは、怪獣の模型と関連するグラフィック、それらの発想のもととなった生き物の標本を展示しています。
昆虫の標本や古代の生物の化石の模型とともに、生き物の図鑑や古生物の書籍なども配しています。
また、「特撮寓話学」のコーナーでは、この映画のストーリーにもある、秘境に住む人々の土着の信仰という民俗学的な視点も紹介しています。グラフィックの解説や配架している本もご覧ください。さらに楽しみが広がります。
スタッフ堀井がご案内しました。次回もお楽しみに。