おえかきミュージアムでは、スタッフが交代で「おえかき」をしてミュージアムをご案内しています。

今回紹介するのは空想機械学に展示している「ムーンライトSY-3」です。

ムーンライトSY-3.jpgムーンライトSY-3/怪獣総進撃(1968) ©TOHO CO.,LTD.

「ムーンライトSY-3」は、1968年、20本目の東宝特撮怪獣映画を記念して制作された映画『怪獣総進撃』に登場します。
『怪獣総進撃』は、11大怪獣が初めて勢ぞろいし乱戦するのが作品の見どころの一つで、その中で月と地球を行き来し大活躍する、6人の乗組員を乗せているのがムーンライトSY-3です。
可変する後退翼を機体の4方に装備することで、縦にも横にもなって飛行することができ、宇宙空間ではロケットエンジン、大気圏ではジェットエンジンで飛行する、夢のような乗り物です。
武装はミサイル4基を備え、機内には探検車が格納されています。
ゴジラに攻撃される場面がありますが、短時間であればゴジラの熱線にも耐えることが出来ます。

模型と共に細部まで書き込まれたデザイン画を展示しています。
少し抜粋すると、
・着地用キャタピラ(自由に方向が変えられる)
・太陽エネルギー吸収装置(四方に羽が開らく)
・原子炉
など、細部まで緻密にデザインされており、劇中にはそれぞれの機能について細かく言及する場面はありませんが、この機械の中にはどのような装置が組み込まれ、動力は何なのか、ただ見た目だけをデザインするのでないこだわりが伝わってきます。

展示しているのは、空想アトリエ内「空想機械学/空想の空を飛ぶ」のコーナー。
「空想世界の空を翔ける飛行機たち」をテーマに、空想世界の飛行機と現実世界の飛行機を模型やグラフィックで比較できるように展示しています。
特撮作品に登場する飛行機やロケットは、全てが空想で造られた荒唐無稽な機械ではなく、当時の航空技術の発展に沿って、時に一歩先を行く形で描かれています。特撮作品をご覧いただくことで、当時の科学技術や航空技術、想像されていた宇宙はどんなものであったのか、垣間見ることができるかもしれません。

書架には、機械の仕組みがわかる本、空想世界に登場するメカニックに特化した本も配しています。空想と現実の機械を比べてご覧ください。

スタッフ佐藤がご案内しました。
次回をお楽しみに。