2021.12.26
おえかきミュージアムその31「オキシジェン・デストロイヤー」
おえかきミュージアムでは、スタッフが交代で「おえかき」をしてミュージアムのご案内をしています。
今回紹介するのは円谷英二クロニクルボックスに展示されている「オキシジェン・デストロイヤー」です。
ゴジラ(1954) ©TOHO CO.,LTD.
「オキシジェン・デストロイヤー」は1954年公開の『ゴジラ』に登場します。
「オキシジェン・デストロイヤー」は、水中の酸素を一瞬にして破壊し、その水中に棲む生き物を窒息死させ、さらには跡形もなく溶かし液化させてしまう「液体中酸素破壊剤」として、科学者の芹沢大助博士が酸素原子の研究途上で発見し完成させた薬品を兵器化したものです。
東京湾に棲む生き物を全て液化してしまうほどの強い威力を持つこの化学兵器が世界に広まり、破壊兵器として悪用されることを恐れ、対ゴジラの兵器として使用することを頑なに拒んでいました。
しかしながら、ゴジラの襲撃後、テレビから流れてくる惨状のニュースや平和への祈りがこめられた歌声に心を動かされ、ついに「オキシジェン・デストロイヤー」を承諾しました。使用は「今回の一度だけ。」と、これまでの「オキシジェン・デストロイヤ」ーに関する研究書類を自らの手で燃やして灰にしてしまいます。また、完全な効果を出すためには自身が水中で直接操作するしかないことを力説し、「オキシジェン・デストロイヤー」を手に自ら海中へ潜って行きます。この時すでに、芹沢博士は自ら死を決意していました。
海中で反応を開始した「オキシジェン・デストロイヤー」に、ゴジラはもがき苦しみ次第に動かなくなり、その後みるみるうちに溶けて白骨化し、その骨すらも完全に溶けて消えてしまいます。
芹沢博士とゴジラが対峙し「オキシジェン・デストロイヤー」を使用する場面では、芹沢博士を演じた俳優、平田明彦氏の前に水槽を置いて海中の様子が撮影されています。水槽の中の水を濁らせたり、空気を水槽の中に放出したりして、潜水服を着た状態で水中を動く様子が再現されています。現在のようなCG技術が確立されていないなか、円谷英二監督の撮影方法の工夫と苦労がうかがえます。
当ミュージアムには「オキシジェン・デストロイヤー」のほかにも、空想アトリエには白骨化した「ゴジラ骨格」も展示されています。また、関連する図書も配架しておりますので是非、併せてお楽しみ下さい。
スタッフ緑川がご案内しました。