かえりたくなる街のつくり方 vol.02


「たとえば、地元食材をつかった料理づくり」ワークショップレポート


先月、10月12日に開催されたワークショップの振り返り。ワークショップ「かえりたくなる街のつくり方」第2回目のテーマは食でした。震災直後から東北被災地に足を運び、食材のプロモーションなど、生活に直結した支援活動を継続的に行っているフレンチのシェフ、ドミニク・コルビさんをゲストにお招きして、市民交流センターに新しくできるクッキングスタジオなどの機能を活かした、食にまつわる活動をみんなで考えました。


前半は、ゲストのコルビさんが会場でつくる地元の食材をつかった料理のデモンストレーション。出汁ときゅうりだけでつくったスープ、にんにくとビーツのカプチーノ仕立て。リーフや茄子、梨など、鮮やかな野菜と福島牛のローストビーフ、ソースはからしとわさび、蜂蜜。ワークショップ前日におとずれた農家さんの圃場で食べた味にインスピレーションが沸きメニューが完成した、コルビシェフによる地元食材をつかった一汁一菜。




気づきポイント①見慣れた食材が彩りの美しい一皿に変身。


味の美味しさはもちろん、彩りを意識しながら料理をお皿に盛ることは大切。7種類の葉が入っているベビーリーフはすべての種類をつかって。果物とお肉の組み合わせも新しい発見。はちみつとわさびで味付けされた黄色いマスタードソースはアクセントに!「次回はソースをテーマにした料理教室もよいですね」とコルビシェフ。


気付きポイント②発想ひとつで新しいものを生み出す力


訪れた地域で普段捨てられてしまっている食材を、味覚の経験と発想で、新しい加工品をつくってきたコルビさん。菜種油の搾りかすをつかってソースを作ってみたり、傷がついて売りものとしては難しい桃やりんごをジャムにしてみたり。アイディア次第で新しいものに生まれ変われるものがたくさんあることを知りました。


気づきポイント③ :地元の食材を再確認する


「須賀川市内の農家の方々の畑を訪問して、情熱ある農家の方たちに感動した。須賀川の食材は本当にすばらしいし、その食材を食べれる市民のみなさんはうらやましい」とコルビさん。



須賀川すこやか農園の佐藤健一さん(茄子)



はしもと農園の橋本文男さん(ベビーリーフ、ラディッシュ、ビーツ、西洋ほうずき)



渡辺果樹園の渡辺喜則さん(新高梨)



常松義憲さん(ミニきゅうり)



須賀川フラワーセンター長、橋本公助さん(ビックにんにく)



後半は4グループに分かれて、市民交流センターで「食を題材にした企画」を考えました。


気づきポイント④:調理するだけでない、クッキングスタジオの使い方


各グループで出てきた企画は、料理を通じて須賀川の歴史や松尾芭蕉が食べたものを知る「須賀川も芭蕉も味わう会」や、地元の食材を発掘して生産者とシェフがコラボする「斬新な郷土料理の料理教室」、旬の新しい食材に出会う機会をつくり簡単につくれる日常料理を学ぶ「見直そう!須賀川の食材」、食材をつくるところからはじまり料理して食材を勉強しながら料理し、農家遠足まで行う「おいしい学校」案がでました。どの企画にも共通しているのは、目的は料理するだけではないこと、そして企画したひとだけでなく参加者もみんなで学び合える、そんな関係性がありました。





各グループ(A、B、C、D)のまとめはコチラ




(仮称)須賀川市市民交流センタープロジェクトチームの市役所職員の方々と、ゲストコルビさんを囲んで。


前列(左から)には、今回コルビさんの調理アシスタントに入ってくださった、フードユニット「名もないカフェ」の轡田幹子さん、市内のイタリアン「フェッラゴースト」オーナーシェフ岩崎里美さん、そして前列右は同じく「名もないカフェ」の伊藤麻家さん。会場の奥にある厨房でとても素晴らしいフォローをたくさんしていただきました。ご協力本当にありがとうございました!